EFX/CARBONTEX GRIPS
EFX カーボンテックスグリップ
振動伝播性と耐久性に優れた素材であるカーボン。この素材特性を全面に引き出した次世代のオプショングリップがEFXカーボンテックスグリップです。
既存のグリップ素材と比較した場合、カーボンの優位性は、表面硬度の高さと耐久性にあると言えます。表面硬度の高さとは、つまり、ラインを通じて伝わってくる微かな振動の減衰を出来るだけ抑え、必要な情報を確実にアングラーに届ける能力であり、耐久性とは、つまり、使用時間に伴う形状や質感の変化がない、いつまでも変わらない握り心地を維持し続けることです。こうしたカーボンならではの素材が持つアドバンテージを活かしつつ、グリップとしての完成度を高めるため、EFXカーボンテックスグリップでは、グリップ本体のみならず専用のアーバーやトリムキャップ、エンドキャップなど、周辺パーツも合わせ内部構造から機能をデザインしています。
また、機能面のみならず「カーボングリップは冷たく滑り易い」という固定観念を覆すため、使用するレジンに改良を加え、表面硬度をアングラーに感じさせない、安心感を与えるソフトでしっとりとした握り心地の「ソフトタッチフィニッシュ」を開発しました。さらに、こうしたカーボングリップの優位性を一人でも多くのアングラーに体感してもらうため、特別なスキルがなくとも誰にでも簡単に扱えるよう、全てのパーツをパッケージング化しました。
EFXカーボンテックスグリップは、ノースフォークコンポジットが自信を持ってお届けする、次世代のオプショングリップです。
次世代のグリップを求めて
新たな挑戦としてノースフォークコンポジットを立ち上げたのが2009年の12月。早いもので10年が経ちました。カーボンという素材を初めて目にしたのが1973年。その後の私の人生は、まさにカーボンという素材とともにあったと言っても過言ではありません。グラファイトロッドの父と呼ばれる私ではありますが、実のところ、ここ数年、私の興味は、専らグリップ作りにあります。自らの名前を冠したかつての会社G.Loomis時代を通じて、コルクを使う機会が多かったため、日本の皆様の中には、私がコルクグリップに対して、強い拘りを持っているかの様に考えていられる方がいるかと思いますが、それは全くの誤解です。実のところ、私は、今から遡ること30年前、1990年代からずっとコルクに代わるグリップ素材を探し続けて来ました。コルクは、軽く、温度変化の影響を受けにくい、振動や衝撃の吸収性に優れた素材です。であるが故に、コルクは、床材として使われたり、断熱材として使われたり、防音材として使われているのです。そう、コルクは、振動や衝撃を遮断する吸収材の一つなのです。コルクの素材特性を最も正しく理解し、最も適切に使用した例として有名なのはスペースシャトルです。スペースシャトルの外壁と内壁の間を埋めているのはコルクです。つまり、軽く、振動や衝撃、熱を遮断する素材としてコルクが使われたのです。
ではどうして振動吸収材であるコルクを、感度が求められるフィッシングロッドのグリップに使う必要があるのでしょうか?この疑問こそがまさに、私がコルクに代わるより良いグリップ素材を探し続けて来た理由なのです。
世界中には様々な釣りがあります。バスフィッシングのようにラインを通じて伝わってくる微かな振動を感じとる釣り、ディープシーフィッシングのように竿先に出るほんの僅かな動きを目で捉える釣りなどです。しかし、それがいかなる釣りであっても、ライン越しに伝わってくる僅かな振動は、釣り人にとって非常に重要な情報であることに間違いはないかと思います。これが真ならば、どうしてフィッシングロッドのグリップに振動吸収材を使う必要があるのでしょうか?少なくともこの組み合わせは最良の選択ではないはずです。
私が過去にコルクを使ってきた理由は、単にそれが他の素材よりも軽くて、入手しやすくて、成型しやすかったからです。しかしながら、今やコルクは、世界的な気候変動の影響を受け、入手しやすい素材ではなくなりました。つまり、私には、もはやコルクを使い続ける理由がないのです。
こうした事情から私は、グリップ素材としてカーボンを積極的に利用することに取り組んで来ました。2012年には、ウレタンアーバーを使った中空構造のカーボングリップ「ブラックウィドウ」をリリースしました。そして、その翌年、2013年には、中空構造から一歩踏み込んだ硬質発砲ウレタンを芯材とするカーボンブレイドグリップ「ファーストストライク」をリリースしました。機能的にはファーストストライクは大変優れたものであると評価していますが、質感を求める声に応えるべく、2019年には、使用するレジンを改良し、よりソフトな触感が得られるソフトカーボンブレイドをリリースしました。そして今年は、こうした私のトライ&エラーの成果をより多くの皆様にも体感頂けるよう、オプションでの提供も視野に、さらにもう一歩踏み込んだ展開をお見せしたく考えています。