ゲイリー・ルーミスがデザインしたロッドを初めて手にした時の事は今でも良く覚えています。
まず驚かされたのは、その軽さと張りの強さでした。そのロッドは、当時店頭に並んでいたどのロッドよりも軽く、そして、張りが強かったのです。あまりの軽さと張りの強さに、不安さえ感じた程です。こんな張りの強いロッドでうまくキャストが出来るのだろうか、弾かずフッキングが出来るのだろうか、キャッチ出来るのであろうか、と。
驚きはファースト・キャストで感嘆へと変わり、不安はファースト・キャッチで見事なまでに解消されたのです。そして、私は、世界中の他の釣り人と同じように、一人水辺で微笑む釣り人になっていたのです。
そんなイノベイティブなロッドを造り続けてきたゲイリー・ルーミスが、心機一転、2009年に新たな会社を立ち上げました。それがノース・フォーク・コンポジット社です。ゲイリーは言います「我々の目的は、真のパフォーマンス・フィッシング・ツールと呼ぶに相応しいブランクをデザインすること。多くのロッド・メーカーは、残念なことに釣り人を釣るためのロッドをデザインしている。しかし、我々は、純粋に魚を釣るための最高のロッドを作りたいと思っている。」と。
こんな今も変わらぬゲイリーの熱い想いが詰まったロッドにただ触れたくて、アメリカ合衆国ワシントン州の工場を訪ね、幾つかの偶然が重なり、今日、皆さんにノース・フォーク・コンポジット社のブランクをお届けする立場となりました。
ゲイリーがデザインしたブランクの提供を通じて、一人水辺で微笑むフィッシャーマンの数を日本に増やす、これが株式会社ブルーピークスの使命だと考えています。
堀口 健